起業体験を振り返って思うこと【生涯資産を生みだす方程式】No.1087

起業体験を振り返って思うこと

30年ちょっと前、わたくしは
東京での就活に疲れきり、
尻尾を巻いて東京を去りました。

銀行員だった父のコネで
地元の会社を紹介してもらえて、
カタチだけの就職をしました。

その当時は、
単に時間切れで学生から
社会に放り出された、

というくらいの感覚でしたから、
働くことに対して、何の感慨も
ありません。

ですから、やることなすこと
ただただ辛いだけでした。

今、振り返ってみても、
自分がやることに、何の希望も
描けないということは、
本当に虚しさしか感じられない
ものなんですね。

そこに上乗せするように、
直属の上司は当時38歳で、

やっと結婚したところで、
ボンネットが錆びて穴の空いた
クルマに乗っていました。

まあ、これで希望を持て、
というのもなかなかハードルが
高かったかもしれません(^_^;)

というようなわけで、
起業うんぬんを考える前に

会社を辞めたい理由は
てんこ盛りにあったわけです。

そんな生活を半年ほど
送っていた矢先に、たまたま
高校時代の部活の仲間に再会し、
ビジネスチャンスを教えてもらう
ことになりました。

希望が持てるようになった
人生は、劇的に楽しくなります。

あっという間に
気持ちの中で、本業と副業が
主客転倒しました。

そのせいか、半年、一年と
経つ頃には収入もそれなりに
得られるようになって、

当時は会社のお給料が
10万円そこそこだったこともあり、
自分のビジネスの収益が逆転する
ことも多くなりました。

こうなるともう、
いやいや通っていた会社には
未練はありません。

というわけで、
わたくしのサラリーマン生活は
１年半で終わりを告げました。

しかし当時は今のように
起業する人も少なく、そのために
必要な情報も乏しかったです。

なんといっても今と違うのは

「インターネットがなかった」

ことです。

知りたいことを検索できないって
どういう状態なのか、

今の若者には想像もつかない
と思います。

体験してきた自分にとっても
思い出せないくらいの時代です。

というわけで、
そこから先はすべてが体験学習と
なりました。

つまり、頭をぶつけては、
その痛みを知る、というわけです。

基本的に、準備らしい準備は
何もしてありません。

お察しのとおり、
10万円そこそこのお給料を元手に
ビジネスを回していたのですから
貯金すらないのです。

ただ、運が良かったのは、
これからバブルがやってくる、と
いうタイミングだったので、

選ばなければ、いろんな仕事を
振ってもらえました。

特に面白かったのは、
就活で相手にされなかった
広告代理店の仕事です。

CMや商業ビルの館内放送のナレーション。

結婚式の披露宴の司会者。

行政のイベントで
タレントさんの送迎をする。

自分のビジネスのスキマで、
毎回、違ったことをするのは
楽しかったです。

しかし、サラリーマン時代と
決定的に違うことは、

「自分の意思決定で
　良くも悪くもすべてが決まる」

ということでした。

ものを見るチカラ、
人と関わるチカラ、
お金を使う判断など、

すべてに覚悟が必要になりました。

そういった心構えも
すべて体験学習からしか学ぶ
ことが出来ませんでした。

しかし今、思い起こすと
わたくしにとっては、それで
良かったのかもしれません。

今は起業を学ぶ機会は
星の数ほどあります。

書籍、教材、セミナーなど…

恐らくこの時代に
学生から社会人になったら

よくても起業オタク止まりで
実際には独立できていなかった
気がします。

実際に今、周囲を見渡すと、
セミナーに通うことで気分だけの
満足を得ているように見える
人がたくさんいるなあ、と
思うからです。

下手に準備とかリスクとか、
考えることなく、若さだけで
無鉄砲に突っ走ったからこそ
自分はやれた気がします。

かといって、
それを今、他の人達に
勧めるという訳ではありません。

準備と覚悟を学んでからの方が
明らかにリスクを減らせます。

このメルマガでお伝えしたい
ことは、自分が体験した痛みを
少しでも避けられるように、
という思いも含まれています。

そこを汲んでいただければ
嬉しいです。