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フィリピンから見た日本に思う【生涯資産を生みだす方程式】No.1092

 
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小規模ビジネス専門の相談屋さんです。ジャンルを問わず、起業希望の個人や中小企業経営者のご相談に乗らせていただいています。 中小企業庁登録専門家、新潟商工会議所登録専門家です。

フィリピンから見た日本に思う


インターネットの存在を
有難く感じることは多々ありますが、

昨日はフィリピン在住で
同じ社団法人の理事をされている方と
距離を忘れて濃密なやりとりをし、

テクノロジーの恩恵に
改めて感動していました。


彼はフィリピンで
いくつかの事業に関わっていますが、
そのひとつが社団法人の運営する
語学留学のプログラムです。

国民の1割が
国外に出稼ぎに行き、外貨を稼ぐ国。

それが産業を持たない
フィリピンという国の現実であり、

そのためには、
複数の言語をマスターする必要がある。

そういった環境にいれば、
当然のこととして、日本人のほとんどが

日本語しか使えないことに
危機感を持って当然です。


だから、彼は幼児期からの
英語教育の必要性を熱心に語りました。

わたくしも英語が使えることには
もちろん賛成であり、重要な事だと
認識しています。


と、同時に質問したのが、

「日本語力が低下していませんか?」

ということでした。


それは10ヶ国語以上の多言語を
操る友人知人が、皆、口をそろえて

「日本語が出来れば何語でも出来る」

と言っているのを知っていたからです。


もしそれが事実なら、
まず、日本人は日本語がきちんと
使えなければなりません。

しかし残念なことに
わたくしの懸念は事実なのだと、
彼は教えてくれました。


文章の全体像を把握し、
意味を汲み取るチカラが低下している。
…日本語の、です。

もちろん文法など
当たり前のようにわからない訳です。


そんな状態で英語を学ぶことが
果たして本当に良いことなのかどうか。


道具としての言語なら
その場、その場で役に立てばいいかも
しれませんが、

本当のコミュニケーションを
作るのだとしたら、

自分自身のアイデンティティが
曖昧な状態では、言葉が使えても
何を伝えるというのでしょうか。


話は飛躍するようですが、
こういう状況が一般化している原因は

明らかに

「日本の教育システムの限界」

だと断言できると思います。


明治に導入された
プロイセン式の兵隊を作るための
教育プログラムが今も現役で使われる
この日本という国。

もちろん国が一丸となって、
世界に打って出る必要のある場合、

明治維新や戦後復興などの時期には
それが有効に機能したはずです。


しかし今は、全体のためのひとりを
育てるのではなく、

「個の力を高めていく」

必要がある時代です。

今の教育プログラムは、
時代の要請に応えきれないのです。


ですので、文部科学省でさえ、
学校に登校して団体で学習する、と
いう形態以外も学歴に認める方向と
言わざるを得なくなりました。


では、これからどんな教育が
求められているのか。

個人的には、

「私塾」

の時代が来ていると思います。

なぜなら、
幕末の混乱期に最も人材を
排出したのが私塾だったからです。


その私塾とは、ご存知の

「松下村塾」

のことです。

吉田松陰がたった二年半、
それも彼が教えるスタイルではなく、

今で言えば、
コーチングかファシリテーション
のようなスタイルで、

それぞれが自分の得意分野を
担当して教え合う、というスタイル
だったと聞いています。


とはいえ、
現行の学校教育をすぐに置き換える
ことは現実には不可能です。

なので、まずは家庭から。
そして、有志から。


実際にそれを始めている人たちも
全国には少なくありませんが、

まずわたくしたち大人が、
学ぶことの意味や楽しさを体験し、

それを下の世代に伝えていくことが
一番大切なことだと思います。

自分の住む国が無事であることを
日本人は、空気が存在するのと
同じくらい当たり前のことと思って
いるはずです。


しかし、これからは
自分たちの国をどうしていくのか。

それをひとりひとりが、
自分事として考え、行動していく
必要がある。

そういう時代になったと思います。

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